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ふと見上げた空の片隅で
二つ目の高校のとき。

俺は哲学の授業が大好きだった。
恩師というわけではなかったのだけれど、素直な気持ちで聞ける唯一の授業をしてくれた先生だったことは記憶に新しい。

その日は生徒に問い掛ける授業で、一人一人に白紙が配られ、ある課題について匿名で提出するといったものだった。

課題は、『自分が一番安心するとき』

自分が一番安心するとき。。
その課題に対して出した答えを今深く考えてみると、そのときの自分を映し出していたように思う。ず~っと眺めていた。穏やかに流れる雲と、それを包み込む青空と、目下に広がる運動場の匂いと、誰も通らない廊下の温度と、教室の隅に転がった上履きと。。

『ふと見上げた空が青かったとき』
よく恥ずかしげもなくこんなこと書けたよなぁと少し痛々しい気持ちにはなるが、荒んだ心を当時優しく包み込んでくれたのは、やはりあの空の青さだった気がする。

先生がその心を理解してくれたのか、俺の書きなぐったそれを皆の前で読み上げたとき、クラス中が笑いに包まれたのは説明するまでもないと思う。でも馬鹿にする人間は一人もいなかった。

東京の空は少しよどんでいる。
でも今ではこの空も好きになった。
少し大げさだけど、いろんなものを受け入れることのできる大人にまた一歩近づけたのかもしれない。
否定することはいたって簡単だ。
でも目の前にあるものを受け入れるため、少し立ち止まり空を見上げて考えてみるのも在りなのかもしれない。
音楽と隣り合わせの毎日はただただ退屈なんかじゃなくて、傍にある当たり前のものになった。
誰にでも在るそれのように、たまたま俺にとってのそれが音楽だったってこと。

そう、それだけのこと。

ふと見上げた空がたとえ泣き出しそうだとしても、それをちゃんと受け入れる心。
過ぎ行く日々に追われたとしても、そこから覗く晴れ間を永遠に。。
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by buzzscript | 2006-06-06 15:25 | じゅんや (B)
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